家を守る子ども【怖い話】

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Aさんという旧家出身のお嬢様がいた。家柄がたいそう良いようで年頃になると縁談の話がひっきりなしにくるようになった。

ある資産家の息子との縁談話が来た時に家族はいままでにない良い話ということでAさんを説得しようとした。しかしAさんは他に好きな人がいるという理由でその話も断ろうとした。

だが、この話ばかりは家族がお見合いした方が良いと一切譲らず、Aさんは困り果ててある紳士に相談をした。その人は大学の時にお世話になった先生でAさんからの話を聞くと「ご両親は私が説得しよう」とわざわざAさんの実家まで来てくれた。

夜にその紳士。(仮にHさんとしよう。)がやってきた時に両親は笑顔で迎えた。実は両親とHさんも面識があったのだ。細かい話は明日ということになりその日は酒を飲んで語り合った。

そして、Hさんは12畳ある家の一番奥の和室で就寝することになった。

Hさんがうとうとしていると、畳を、ざーざーざーざーと足をずる音がした。音の軽さから聞いてどうやら子どもだ。Hさんは無視していたがやがてふとんの上にまで乗ってきた。そこでふとHさんは気がついた。この家にきてから子どもなどは見なかったが・・・。

その次の瞬間、布団が勢い良く引っ張られて、部屋のふすままで移動した、あきらかに子どもの力ではない!Hさんはびっくりして目を開けるとふすまがストンと開きとなりの部屋が現れ、その部屋もものすごいスピードで布団ごとひっぱられる。

Hさんは逃げ出そうとしたが、体が金縛りにあって動かない。ストンとその部屋の奥のふすまが開かれ次の部屋へ引きづられ、またふすまが開き次の部屋へ、と続けているうちに最後には外放り出されてしまった。なぜか、そこには庭ではなく断崖絶壁になっており下に落ちる瞬間に目が覚めた。

外は朝になっていて、Hさんは元いた12畳の部屋にいた。その部屋は夜とすべてが同じだった。なぜかHさんは布団ごと引きづられたように部屋の端っこにいたことを除いては。。

その話を家族にしたところ「うちにこどもはそもそもいない」と言われその日は話せず帰らされてしまった。

後日、Aさんから連絡があって縁談話はなくなったと言われた。実は資産家と言っていた向こうの家には逆に大きな負債があり、実は財産目当ての結婚話だったことがわかったのだ。そして、Aさんからさらに驚くべき話があった。実はAさんの家には昔から座敷わらしの伝説があり家を守ってくれていると言い伝えられていた。きっと先生に夢に出たのも自分の家を守る座敷わらしだったのだと。

Hさんは「でもなぜ家を守る座敷わらしが、話を止めに行った私のところへ?」というと、Aさんは言った。

「先生は縁談をまとめにきたんでしょ?」

実はHさんは両親と酒を飲んでいる席で今回の縁談話をまとめてくれるよう懇願され、翌日はうまい具合にAさんに縁談話に応じるよう説得する予定になっていたのだという。座敷わらしはその内情さえ理解してHさんを家から追いだそうとしたのだった。

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