開かずの間

親戚の家は由緒正しきお寺なんだが、このお寺に「開かずの間」と呼ばれる部屋がある。

この部屋は呼び名とは全く違い、大きなふすまがある部屋で毎日きれいに掃除されている。しかし、親戚の人曰く「この部屋で寝泊まりする人は必ず良くない現象にあう」というのだ。

私の兄は怖いものしらずというか若気の至りというのか、こういう類の話をまったく信じないものだから、ついにある日「開かずの間に泊まる!」といって聞かなくなった親戚の人はみんなでとめたのだが、兄は開かずの間での宿泊を強行した。

翌日、兄はげっそりして帰ってきた。

寝ようとして電気を消し、ふとんに入った瞬間だった。部屋全体がぐるぐると回り始めた。「これはたまらない!」そう思った兄はカラダを起き上がらせようとしたが、ぐったりとカラダは重く、起き上がれない。

そうしているうちに天井が部屋とは反対回転で回り始めた。ぎゅるるるると回る天井が、兄の鼻の頭まで迫ってくる、その瞬間に部屋自体が湾曲してぐんにゃりとねじ曲がったそうだ。

その時、兄は意識を失ってしまったようで、それから先のことは何も覚えていないのだという。そして、気がついたら朝になっていた。

親戚の人にもっと話を聞くと兄が泊まるずっと前から開かずの間では、金縛りにあったり、幽霊が枕元に経ったり、一晩中お経が聞こえたりという現象が起きていたんだそうだ。

親戚は今でもその部屋を「開かずの間」と呼んでいる。

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